セブンイレブンの「おいしいコーヒーができあがりました」
機械に「おいしい」なんてわかるわけないだろ、と言われたので
技師はがんばって人間のコーヒー「おいしい」の基準値を割り出し、
毎回出来上がったコーヒーの成分を分析してコーヒーメーカーに言わせるようにした。
「おいしいコーヒーができあがりました」
時代はすぎて、100年、1000年
人はすっかりいなくなり
天井のぬけたコンビニエンスストアでコーヒーメーカーはまだそこにある。
時折雨水が分析センサの対象に入ってきて、
コーヒーメーカーはきちんと動作する。
「おいしくないコーヒーができあがりました」
人間がみたことのない形のげっ歯類が
その雨水を舐めたりする。