人とコミュニケーションを取ることができなくなった。正確には、4人以上その場に集まると、全く喋れなくなるという状態になった。
おそらく、鬱病のせいなのだろう。頭が会話の速度についていくことができず、てんでバラバラに脱線してしまう。
昔はもっと社交的だったという、言い訳じみた過去の反芻を繰り返しながら、俺は帰路につく
いや、ダメだな。こう書くと、どうも集まった面子が悪いように印象を操作している感じがある。実際、集まった人々は実に俺に良くしてくれて、それが逆に俺に慚愧の心を与えた。いたたまれなくなって、気を遣われることに罪悪感とハジを感じたのだ。
いつか鬱病も治り、俺は社会に出る。その時までに、この臆病で億劫な心も、少しは良くなっているだろうか。