「いらっしゃい。おや、また来たのかい?」
「はい。今日も無料プランで」
バーコードハゲの風呂屋の主人がクミンに声を掛けると、にこやかにクミンが声を返す。
無料プランは女性客のみに適用される特殊なプランである。
基本的に女性客のリピータはきわめて少ない。
無料プランに適用される浴室は混浴であるためだ。
さらに、店は店内でのトラブルに関与しないため、それ目当てで訪れる男性が数多く、それでも来店するのは余程金に困っているのか、好き者かのどちらかだった。
主人はクミンの体をなめ回すように眺める。
やや細身であり、頭に変な猫耳をつけているものの明らかに上物の娘だ。
この娘のおかげで「客」が増える事には変わりは無いので、余計な詮索はやめることにした。
「――ああそうだ」
いそいそと脱衣場に向かうクミンに後ろから声を掛ける。
「今日は先客がいるから、仲良くやってくれ」
先客と言う言葉に軽い疑問を感じながらも、主人に軽く会釈し、脱衣場へと向かった。
……とこんな感じでやらかす予定です。
例によってBOOTHにて無料配布する所存(5000字弱の短編になります)