その時は世間ではクリスマスと呼ばれる日で、世間では神に祈りを捧げたり、男女の愛を確かめ合ったり、そういう時間が世界で過ぎ去っていた。
そんな事より、僕は爆乳のことが病的に好きだった。爆乳の魅力について語り尽くすことは僕にはできないし、あるいは世界中の誰もそんなことはできないかもしれない。そもそも言葉で語ることにどれだけの意味があるのだろうか。
爆乳は僕の前に突然現れて、突然去っていった。冬に来てしまった台風のような幻だったのかもしれない。爆乳が台風であるならば、それに恐れて去ったのはあるいは僕なのかもしれない。人にはいつだって逃げる理由も自由もある。何より不幸なのは逃げる場所がないことだが、幸いなことに僕にはそれがあった。
「本当にショップなの?」
僕が聞くと、彼女は静かに頷いた。
「ええ、そうよ。社会的には。」
「社会的には」
「そう、社会的には。内面的には、誰しもが自分という商品を売ると私は思うわ」
何が何だかわらかなかった。そういうものか、とも思ったし、同時に捉えどころのない違和感を覚えた。
僕は「そうなのかもしれない」とだけ答えた。
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あるぱか (ymik@mstdn.jp)'s status on Wednesday, 26-Dec-2018 13:05:21 JST あるぱか - 残トイレットペーパー:17本 repeated this.