「思い込みや感情から作り出された一般常識は間違っていて、事実から導き出された結論は正しい」
というのが全体を貫くメッセージなんだけど、この考え方そのものは良いとしてもこの本の中での使われ方としては「過去の分析は事実に基づいていない」というレッテル貼りになっているし、それはそれでかなり危険なんじゃないのか。
「データの読み方によって出てくる結論も異なる。たとえばこれまで常識と思われていた物事でも、別の視点から見ればこのような解釈が可能だし、このような結論も導き出され得る」
という風に「発想の転換」のプラクティスとして読むのがいいと思う。
先ほどのABCでいうと、Bをこの本のエッセンスだとして読むと実のある内容なんだけれども、AとCだけを要約してまとめてしまうと、ただの保守的な勝ち組擁護本になってしまう。