「カフェインの摂取は道義的に間違ってはいないでしょうか」
某婦人によれば、カフェインは基本的に、
<覚醒剤であり>
<興奮剤であり>
<胃を悪くし>
<健康に害をなす物質>
だと断言した。
あくまで控えめに。
控えめに断言する。
(中略)
某婦人というひとはどう見ても危ない人にしか思えなかったし、みんなが某婦人の口から吐き出されるいがいがした言葉のひとつひとつにうんうんとうなずくのが不思議でならなかった。
「あくまで希望ですけれど、いずれ将来的には」と某婦人は締めくくった。「カフェインは廃止されるべきじゃないでしょうか」
「ハーモニー」伊藤計劃より引用
健康で、健全で、安全であることを強制する社会ってつまり、こういうことだよ