“地方出身者あるある”としてよくあげられるのが、「地元では当たり前だと思っていたことが全国的にはそうではなかった」というもの。方言にしろ、食べ物にしろ、習慣にしろ、「えっ、これって自分の地方だけだったの……?」と知って愕然とする、みたいなことはよくあります。
私は三重県出身で東京に出てきて20年近くになるんですが、先日近所のまいばすけっと(イオン系列のスーパー)で生まれて初めて目にしたのが「ヨーグルッペ」なる謎ドリンク。
そばに「九州フェア」というポップがあったので、どうやら九州のご当地ドリンクらしい。これは九州の人にはおなじみの一品なの? どんな味がするの? 気になったので買ってきちゃいましたよ、ヨーグルッペ……!
【パッケージのクセがありすぎなんじゃ……】
まず、目を引いたのがパッケージ。アルプスを思わせる山に緑の野原、そしてスイスの民族衣装のような服を着た女の子……これはまさに『アルプスの少女ハイジ』の世界観!
ただちがうのは、女の子の顔がハイジのようなアニメ顔ではなく異様に写実的なところ。「かわいい~♡」と無邪気に声をかけるにはちょっとためらってしまう、なかなか味わい深いキャラデザインになっています。インパクトあるわー。
【どんな味?】
今回私が買ったのは、プレーン、もも、マンゴーの3種類。「もも」だけなぜか女の子が桃を手にしていて芸が細かいですね。
では実際に飲んでみます。……甘酸っぱくて濃厚、けれどさわやかさもあってごくごく行けちゃう!
ヨーグルッペ自体は初めて飲みますが、「森永マミー」や「ビックル」といった乳酸菌飲料の味に非常に似てます。ももやマンゴーも、香り・味ともにそれぞれのフレーバーが感じられておいしいです。
【九州ではめちゃくちゃメジャーなようです】
調べたところ、ヨーグルッペは宮崎県にあるデーリィ南日本酪農協同株式会社が作っている商品。昭和60年に缶入りの乳酸菌飲料として販売をスタートして以来、多くの人たちから愛されてきたそう。
驚いたことに、こちらの会社は乳性炭酸飲料「スコール」も出しているんですね! スコールは東京でも見かけるけれど、ヨーグルッペは知らなかったなぁ……。
ところがこれが地域によって異なるのがご当地飲料らしいところ。九州出身のPouch編集部・御花畑マリコに話を聞いてみると……。
「ヨーグルッペは九州だとメジャーな飲み物です。夕方の時間にCMとかもやってたのでまさか全国区ではなかったとは……!」
とのこと。マジですかっ!! 夕方にやってるCMはたいがいローカルって後で知るのも、地方出身者あるあるですよね……。そしてもう一人、今も宮崎に住む方からは
「小さいころから飲んでいた当たり前の存在。ヨーグルト飲料はほぼヨーグルッペをパクってると思ってた」
とのコメントが。やはり宮崎県では絶大なる知名度と人気を誇るんですね、ヨーグルッペ。
【奥深きご当地飲料の世界】
インパクトあるパッケージと甘酸っぱくてさわやかな乳酸菌飲料・ヨーグルッペ。200mlという紙パックサイズもちょうどよい量で、今後見かけたらまた買ってみたいと個人的には思いました。
Amazonや楽天などの通販サイト、宮崎のアンテナショップなどで売られているようなので、機会があれば皆さんもぜひ!
ちなみに北海道出身、Pouchライターの纐纈タルコからは「ヨーグルッペって北海道のカツゲンみたいなもの?」って言われたのですが……カツゲン自体がわからないから! カツ丼かと思ってググったらぜんぜん違うし!! ご当地グルメの世界はホントに奥が深いです……。
参考:「ヨーグルッペ」ブランドサイト
撮影・執筆=鷺ノ宮やよい (c)Pouch