あんまり古代ギリシアの小説には強い関心が向かなくて勉強してなかったけど,岩波文庫のロンゴス『ダフニスとクロエー』(松平千秋訳)の解説を読んでいると,唯一第1巻を欠損なく伝えているA写本の発見者P.L.クリエが,インクの染みをつけて写本を損なってしまい,それは最初の刊行者となる名誉を奪われることを恐れての故意ではないかと嫌疑をかけられスキャンダルとなった話とか,1598年の最初の刊本より40年近く前にアミヨ(J.Amyot)によるフランス語訳(1559年)が出ていたという話とかがあって興味が出てきた.