amazonですでに中身を詳しくみられるので眺めてみると,第一部が音韻・形態論(Phonology and Morphology),第二部が統語論(Syntax)に加えて,textual coherenceに焦点を当てた第三部が加えられており――つまりsyntaxはひとつひとつの文単位を取り上げるのに対して,そうした文が複数相互に結び付いた,より大きな尺度で見た場合のテクストを対象にするーー,ここに「小辞particles」や語順に関する記述が組み入れられている.あとsample passageとしてリュシアース,クセノポーン,プラトーン,ソポクレースからの注釈付き抜粋が収められているのもちょっと珍しい気がする.
ところで著者4人のうちAlbert Rijksbaron, Mathieu de Bakkerの二人はアムステルダム大学の人だし,数年前に出たラテン語統語論の本(Oxford Latin Syntax)の著者H. Pinksterもアムステルダム大学名誉教授なので,古典語の文法研究はやっぱオランダが強いなとなった.