そういえばプラトーンの『第7書簡』は,彼の自伝的な側面を持っていて思想背景を知るのに重要なテクストなので,真贋判定の結果がプラトーン理解にかなり響くんだけど,たしか統計的には真作説の方に傾くのだったと思う.
基本的に真作と見なす見解の方が主流である一方,比較的最近にBurnyeat, M., Frede, M. (2015), The Pseudo-Platonic Seventh Letter, Dominic Scott ed. Oxfordあたりから新しい偽作説(『第7書簡』だけでなくほかの書簡全てにも疑問の目を向ける)が出ていたがこの辺りをどう考えているんだろう.門外なのであまりフォローしていない.
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Niceratus Kiotoensis (ncrt035@gnosia.info@gnosia.info)'s status on Tuesday, 26-Mar-2019 20:16:37 JST Niceratus Kiotoensis
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Niceratus Kiotoensis (ncrt035@gnosia.info@gnosia.info)'s status on Tuesday, 26-Mar-2019 20:37:31 JST Niceratus Kiotoensis
自宅の『計量文献学の射程』に,関連文献のコピーがちゃんと挟んであった(えらい!).
ひとつはWake, W.C.(1957), `Sentence-Length Distributions of Greek Authors', in Journal of the Royal Statistic Society: 331-346で,文の長さに基づく文体測定を行っており,340-343まででプラトーンを取り上げ,『第7書簡』と『法律』の文体的一致を指摘している.
もういっこはMorton, A.Q.(1965), The Authorship of Greek Prose, in Journal of the Royal Statistic Society, 169-233で,Wakeの議論を拡張して,弁論や歴史のギリシア語散文作家が分の長さに関して文体上の習慣を有していることを示している.
多分このとき(https://twitter.com/ncrt035/status/961084021273866240 )に言ってた文献がこれらと思われる.
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