大学や研究所において、研究者が誰のため、また何のために研究しているのか、1つに絞ることは困難です。以下では、誰のために研究しているのか、できる限り列挙してみます。 1. 人類のため 人類の持続的な繁栄のために研究するという考えがあります。この数世紀、先人達の研究によって科学技術が発展した結果、化学や農業の発達によって飢えをしのげるようになり、医学の発達によって様々な病を克服してきました。こうしたWebサイトで情報が得られるのも、ディスプレイやコンピュータ、通信技術が発達したおかげです。これまで人類に繁栄をもたらしてきた科学技術をさらに発展させていくことが、今後の人類の継続的な繁栄に繋がるという考えです。2015年9月の国連サミットで挙げられた17個の持続可能な開発目標(SDGs)に沿った考えとも言えます。 また、人類の文化の保全や多様性の確保(執筆者は専門外なので誰か加筆修正して下さい)、人類が築いてきた科学技術の発展など、文化的な目的で研究するという考えもあります。 2. 日本国民のため 日本の大学や研究所で行われている研究の多くに、日本国民が納めた税金が投入されています(研究を誰が支えているのかを参照)。日本の税金で研究している以上、その成果を日本国民や日本社会に還元するのは当然という考えがあります。どのような形で還元されるのか、以下に挙げます。 2-1. 経済的に価値あるものとして還元 大学などでの研究によって発見された現象や開発された基礎技術は、民間企業や大学発ベンチャー企業での製品開発を経て、経済的に価値あるものとして社会に還元されるという考えがあります。すべての研究が経済的な価値に結びつくわけではありませんが、研究をしなければ革新的な技術は生まれず、海外で見出された基礎研究の成果を応用する際にも海外に後れをとってしまうことから、日本においても基礎研究を行っていかなければいけないという考えがあります。 2-2. 人命を守る形で還元 医療や防災などの研究の成果は、日本国民の人命を守るという形で社会に還元されると言えます(執筆者は専門外なので誰か加筆修正して下さい)。 2-3. 高等教育という形で還元