精子を食べる? おそらく多くの人は、考えただけで嫌悪感をもってしまうだろうし、たとえ多少の興味があったとしても議論をするのは躊躇してしまうだろう。いわばタブーであり、気軽に話題にしてはならないという暗黙の了解があるように思う。
しかし、世界を見渡せばこのテーマについて真剣にコメントをし、また調査している方々も存在する。今回はそうしたコメントや議論の内容を一部ご紹介したい。
・精液の味は複雑かつダイナミック
まず、味の観点から。ある料理本の著者は「精液を使ったレシピはすばらしい」という。上質のワインやチーズのように、精液の味は複雑かつダイナミックであるというのだ。しかも、人間から作り出せるため、コストがかからないという点を挙げて、精液を使ったレシピのメリットを主張している。
・精液を食べることによる医学的な効果
次に医学的な効果について、昨年アメリカの外科医がバレンタインデーを記念して書いた興味深いコラムの一部を紹介したい。
そのコラムで紹介された1990年代に行われたある研究によると、異性愛の女性同士が一緒に暮らしている場合、フェロモンの影響によって生理のサイクルが同じになるが、一方同性愛の女性同士の場合には生理のサイクルは同じにならないのだという。研究者は精液がその違いを生み出しているのではないかと推察した。
・精液はチョコレートよりも良いプレゼント
また、コラムの著者は精液にエストロン、オキシトシン、セロトニンのような気分を上昇させるホルモンが含まれていることに触れ、「こうしたホルモンが入った精液が体内に入れば、健康に良い。避妊をせずにセックスをしている女子大生はコンドームで避妊をする女子大生と比べて、うつ症状が見られる割合がずっと低いとする研究もあると書いた。
こうした研究結果を紹介した上で最後にこうまとめたのである。「男性と女性の間には、聖バレンタインの推測よりもずっと深い結びつきがある。いまやチョコレートよりも良いプレゼントがあることが分かったのだ」。
・しかし、まだ確実なことを言える段階ではない
この「精子を女性の体内に入れるメリット」を書いたコラムは物議を醸し、執筆した外科医は所属していた教育団体を辞任せざるを得なくなるという展開になってしまった。ちなみに、精液が抗うつ剤としての機能をもつという研究結果は論争を呼んでおり、まだ確実なことを言える段階ではないようだ。
以上、みなさんはどのように感じただろうか? たとえ精子を食べる・体内に入れるメリットが医学的にも明らかになったところで、それを食する人が増加するかどうかは非常に疑わしいが、なかなか興味深いテーマではないだろうか。
(文=佐藤 ゆき)
参照元:io9(英文)
イメージ画像:ロケットニュース24