「ハトの物語を書いているんですよ」僕が公園のベンチで、ハトの群れに向かってそういうと、3羽のハトが近づいてきた。「どれどれ」「聞かせてごらんなさい」「興味があります」
朗読が終わると、ハトたちは首をかしげて「まったくハトのことをわかってないんじゃない?」「えらく勝手なことを書くもんですね……」「しかし興味深い。次も聞かせなさい」と、ぶつぶつ言うのである。
「これ、いくつ書いたの?」「もう50本も書いちゃったんですか……」「いや、むしろ何もわかってないところに興味が持てます」
次も書いたら持ってきなさい、とハトが言ってくれたから、僕はまた次の物語も公園へ持っていくのだ。
2018/4/22