「この結果は………絶対に嘘に決まっている……。」
浜崎順平はそう信じて疑わなかった。
父親性ダイソミー症候群、上顎突出症、顎変形症、先天的な下顎右第一、第二小臼歯欠損、半身麻痺、色覚障害、味覚障害、白内障。
身体的障害だけではない。
精神科の診断によれば、自己愛性人格障害、アスペルガー症候群、ADHD、自閉スペクトラム症候群…これ以上読むのはやめた。
全てだ。今まで目をそらし続けてきた全ての診断結果が、己の身体障害を、己の精神障害を証明している。
Youtuberだった時代に、画面の向こうからぶつけられてきた罵倒の数々を裏付けるものだった。
「何で……なんで俺…ばかり……??俺……出来損ナィ…?」
上昇してゆくフラストレーション。
悲しい事にそのボルテージを抑える力など、浜崎順平にはない。
――――怒りの矛先を、見つけなければ。順平の焦りに呼応して、目に入った文字がふと囁く。
"父親性ダイソミー症候群"
「父親―――性………。ちちおや……。チチ…オヤ…!」