「オデは……キンシンカンの子……!?オカアサンは…オデのオカアサンじゃない…!?絶対に…絶対ニコノケッカハ……嘘ニ…ウソニキマッテルハズ……」
対馬が読めない、俳句を知らない、ハンバーガーの食べ方も分からない。
そんな浜崎順平とはいえ、セックスは知っている。近親姦の危険性については理解していた。
その行為によって生まれた子供が、どんな脆弱性を盛られ得るのかも。
意を決して行った身体検査、精神分析の検証結果、そして探偵による調査結果。総ての点と点が星座の如く繋がってゆく。
「――――そうだ……俺は…気づいていたよ。生まれた時から…」
ミ ン ナ オ ト ッ テ イ タ
他ノ人間 ヨリ 足リナカッタ
■ ■ ■ ■ ■ ■
浜崎順平は貝塚市役所前駅に独り立つ。
決して何処かへ行きたいわけじゃない。あえて言うならば、終わりたかった。
彼は数分後に列車の前へと身を投げる。
結末を言うならば、それは滞りなく、何のドラマもなく、彼の人生はそこで終わった。