「んー―、でもおじさんっていうよりお兄さんかな?ボクと身長あんまりかわらないしっ♪」
潮干狩りで入手したと思わしき海産物が詰まった網袋、それを持った白いスクール水着の女の子。
海水を若干含んだピンクのポニーテールが、嗅ぎ慣れない潮風で鈍く揺れている。
「モモ……チャ……?」
「えっ!?ボクの名前……知ってるの!?あっ…あれ?おかしいな…ボク、物おぼえはいい方なんだけど…。えっと…お兄さん、だれだっけ?」
常葉もも。
かつて実況を行ったゲーム、『僕と君の夏休み』のヒロインの一人。
14歳、特技は漁。一人称は何故か『ボク』。
そして身長は150cm―――思っていたより高く、目線の高さがあまり変わらない事にとりあえず屈辱を覚えた。
が、浜崎順平にとって彼女が特別なのは、"そこ"じゃない。
「オンナノコ…」
「……え。」
鉄琴が読めない、巾着は読み間違える、手水舎の使い方を知らない。
そんな浜崎順平とはいえ、セックスは知っている。近親姦の仕組みについては理解していた。
そして、近親姦で血が濃くなった時、呆れるほど単純な対処療法も本能レベルで理解できていた。