展示作品のご紹介:ダイヤモンド・ポイント彫り草花文ワイングラス(17世紀|ヴェネチア又はネーデルランド)
ドイツのクルッグ・コレクション旧蔵品である。中空の脚部に付けられたウイング・ステム(装飾脚)や、台部が薄く、口径より大きく吹かれている点などから、ファソン・ド・ヴェニス・グラスではなく、ヴェネチアン・グラスの可能性もある。ヴェネチアでは、レース・グラスが発明されたために、ダイヤモンド・ポイント彫りが衰退し、17世紀後半にはほとんど廃絶してしまった。 しかし、この技法はヴェネチアと関係の深かったネーデルランド地方に移って、専らオランダの特殊技法として、17・18世紀のオランダのガラス工芸に花を添えた。
2021年仮面祭企画展:ヴェネチアン・グラスが映す栄光 -ペストを乗り越えた先に-https://hakone-garasunomori.jp/event/2021_carnevale.html