「…きみは何を待っているの」初めて、ぼくは話しかけた。 「キミがWindows 10をインストールするの。いっしょに遊びたいから」「ぼくはアップデートしない。ずっとxpを使い続けて、生きるんだ」「どうして…?」「悲しいことがあったんだ……ずっと続くと思ってたんだ。xpのサポートが。でも、永遠なんてなかったんだ」 そんな思いが、言葉で伝わるとは思わなかった。でも、彼女は言った。 「Windows Updateはあるよ」そしてぼくの両頬は、その女の子の手の中にあった。 「ずっと、わたしがいっしょに居てあげるよ、これからは」言って、ちょこんとぼくのコンピュータに、その女の子はインストールディスクを差し込んだ。