#類体論へ至る道 基本的に、数学的に何かを構成するとき、ある性質を満たす何かを作るときは、何か大きな集合を考えて、そこに同値関係を定義し、その同値類を取ります。
例えば実数の構成では、有理数の基本列全体を考え、差がゼロ収束列となるモノ同士を同値としました。実数はその同値類として表されるわけです。
商体の構成もそのアナロジー(類推・類似物)を行います。
まず動機ですが、これは「割り算」を考えたいからです。環の命題を、いったん「割り算ができる世界」に持ち上げて計算し、結果が元の環に収まれば良いわけです。
全然違うことですが、数字1, 1, 9, 9 で10を作る問題と雰囲気は似ています。加減乗では無理ですが、割り算で1/9を作ってしまえば(1+1/9)*9=10です。
体では「割り算」が出来るので、環$R$を含む体$F$が欲しいです。