“将来は自動運転車を使った配車サービスがスマートフォンの基本機能の一つとなる可能性もあり、アップルは競争対抗上、モビリティー分野への投資を避けられなくなっている。モバイル端末向けの基本ソフト(OS)でアップルと競合する米グーグルは09年に自動運転技術の開発に取り組み始めた。現在はグループ会社のウェイモを通じて米アリゾナ州で無人の「ロボタクシー」の試験サービスを始めている。
米国勢に限らず、中国のIT大手もEVへの参入を着々と進める。同国ネット検索大手の百度(バイドゥ)は自動運転技術を搭載したEVの製造販売で浙江吉利控股集団と提携し、配車アプリ大手の滴滴出行(ディディ)はライドシェア専用EVを比亜迪(BYD)と開発した。
コンサルティング大手、アーサー・ディ・リトル・ジャパンの鈴木裕人パートナーは「アップルは投資に回せる資金余力も大きく、テスラの参入時とは異なる。既存のメーカーにとっては脅威になる」と指摘する。自動車メーカーはEVシフトと巨大IT企業の参入で、大きな決断を迫られることになる。”