マストドン公式iOSアプリの今夏リリースの突然の一報はびっくりしましたけど、世界的に見ると「例のあの人」がfediに来るのか、来ないのかという騒動の辺りからマストドンを中心にfediの人口が鰻登りに上がってる事を踏まえると、自然な動きだなぁとは思ってるんですね。最盛期には騒動前からアクティブユーザーだけでも86553アカウント増えて、マストドンだけでも75885アカウント増えてました(数字の出典は the-federation.info より)。この騒動によってunwelcomeな人達も一部の海外fediの人たちから見たらいたでしょうが、いずれにしても「この機会に脱中央集権・脱プラットフォームした新規海外fediユーザーをそれぞれのユーザーに適した分散SNSやインスタンスに迎え入れるにはどうすればよいか。」という課題が海外では浮上してて、よく議論されていました。そして、この課題に対して分散SNS公式を中心にこの一ヶ月の間、様々な動きや模索がありました。
例えばPleromaでは、公式サイトをグラフィカルで分かりやすいサイトに刷新して、新たに初心者向けFAQがつくられました。PixelFedは最近PixelFedインスタンスを探すサイトをbetaバージョンで公開して、おすすめインスタンスの追加作業してるよ〜と公式アカウントから発信したり、ActivityPubでユーザーがPixelFed開発者陣と繋がれるフォーラムを開発しています(これについては後にオープンソース化される予定)。
分散SNSサーバー関係者からも、例えばPleromaサーバー管理者でPleromaFEのSoapbox開発者alex氏はPleroma向けのホスティングサービス「Tribes」をローンチしました。こうした大々的な事でなくても、普段は静かであまり意見を発しない分散SNSサーバー管理者が盛んに意見を発したり、# fediblockなどのタグを作って「コミュニティによるモデレーション」で一連の騒動で荒れていた海外fediをより良い環境にして海外fedi初心者がそれぞれに適した分散SNSやインスタンスを選ぶための環境醸成がされていました(ちなみに# fediblockについては賛否両論あるのですが)。
ユーザー単位では、fedi入門やマストドン等の初心者向け紹介記事が相次いでパブリッシュされました。またとある個人が、非公式かつサイトのインスタンスレコメンデーションについて批判をされたものの、独自にfediへの入口となるサイト jointhefedi.com が作られましたね。
いずれにしても海外の分散SNS開発者・管理者・ユーザー全員の向かっている方向は同じで、冒頭に書いた課題に取り組んでいた、という形でした。
こういった背景があって、マストドンでも何かしようと考えるのは自然な流れですよね。ところがマストドンでは、その公式サイトのjoinmastodon.orgはPleroma公式サイトがニューデザインになる前からグラフィカルでわかりやすいサイトで初心者の方には優しかったですし、PixelFedが開発しているインスタンス検索サイトは現在は閉鎖されていますがMastopeek等外部サービスも充実してますし、joinmastodon.org自体にもインスタンスレコメンデーションのページがカテゴリー別に既にあって、初心者にはわかりやすかったですよね。
...ということで、あとは何が足りないかというと「公式」「iOS」アプリだろうと。既に充実したそれのAndroidアプリがあるのにiOSのそれが不足しているということで、先行してiOSユーザーへの対応のために今回のアプリ開発の発表と相まったのだと思います。アプリというのは、分散SNSにしても一般SNSやWEBサービスでも大きな評価ポイントであり「アプリがあるから始めた」というきっかけにもなります。また「公式」というお墨付きがつくことで、一般的には新規ユーザーにとっては安心して利用できるでしょう。
一連の騒動で海外fediが大荒れな中、私自身かなりストレスフルな情報収集活動の一ヶ月(以前風刺画であげたような状況)でしたが、こういった背景もあってマストドンの公式iOSアプリのリリースがあったんだろうなぁ、と私は思ったりするとともに、これはブログとして投稿すべきだったし、そもそも例のあの人が昨日長い沈黙を破ってGabでのSNS活動を始めてどうなることやら...という感じでございます。胃が痛くならないような感じで、普段通り海外fediの情報収集をしたいですね、はい(白目)