収蔵作品のご紹介:菊(1960年|ヴェネチア|フラテッリ・トーゾ工房作)
花芯に、赤、黄、青、緑、黒などを使った菊花文様の断面を持つモザイク・グラスを並べて板状に熔かし合わせ、それを無色のガラス棒の周りに巻きつけて、再加熱し、花器に仕上げる。さらに外側全体に研磨仕上げを施す。ローマ時代のミルフィオリ・グラスを現代的に処理した技法で作られている。文様を整然と仕上げていくためには、名人芸的な技巧を要する難しい技法である。1960年代に、フラテッリ・トーゾ工房が手がけたミルフイオリ・グラスの代表作である。