やりきれない気持ちを抱えて、駅の裏側にある公園のベンチにたどり着いた。僕の悩みはもう解決法もわかっていて、でもそれをやるのは最終手段だし思いきれない。もっといい方法があったり、回避できるならそうしたい。ぐるぐる考えているうちに時間がたってこじれていく。そして悩みだけいつまでも残っている……
いつの間にか足元にハトがいて、こちらを見ている。「ハトでもいいや。愚痴を聞いてくれないか」僕はハトに愚痴を言った。一息つくとハトは「★」と言った。僕は続けて話をした。何度か区切りが来るたびにハトは「★」と言う。特にアドバイスめいたことも言わないし、名言もないし反論も叱咤もない代わりに★を僕にくれる。
僕はその★を全部集めて自分の部屋に持ち帰り、ベッドに寝ころびながらひとつずつ眺めた。なんだかだいぶ気持ちがすっきりしたような気もする。この★の数だけ、あのハトが僕の悩みを知ってくれているのだ。