1-Wire はマキシム・インテグレーテッドの登録商標であり、接地線と一本の信号線(兼電力供給線)だけで低速なデータ転送を行うバス規格である。マキシムに吸収されたダラス・セミコンダクタが開発した。I²C に似ているが、データ転送レートがより低く、より長い距離で通信可能である。小さい安価なデバイス(例えばデジタル温度計など)の通信に使われる。
概要
このバスの長所は2本の線だけで接続できる点である。このため、集積回路には800pFのコンデンサが集積されていて、データ線から電力を得ている。デバイスは非常に小型化でき、単なるコンデンサや腕時計用のボタン電池のように見えるものもある。これを iButton と呼ぶ。
プリント基板に実装されることもあるが、ノートパソコンや携帯電話のバッテリーパックなど、様々な部品の一部として使われている。
実験用機器やデータ収集機器と制御システムの接続に 1-Wire を使うこともあり、その場合のコードには電話用のモジュラーコネクタのコードやカテゴリー5ケーブルなどを使い(RJ-11が最も多い)、ソケットに 1-Wire デバイスが内蔵されていたりする。
センサ群を 1-Wire で接続したネットワークを MicroLan と呼ぶ(登録商標)。例えば、温度センサ、タイマー、電圧センサ、電流センサ、バッテリーモニタ、メモリなどを接続する。これらはバスコンバータ経由でPCに接続できる。PC側インタフェースとしては、USB、シリアルポート、パラレルポートなどから、1-wireへ変換するマスターチップを搭載することで接続が可能である。MicroLan にマイクロコントローラを接続することもできる、この場合は汎用のマイクロコントロラーのオープンドレインのI/Oポートからプルアップして簡単に接続が可能である。Parallax BASIC Stamp、Microchip PIC ファミリー また、オープンドレインのI/Oを持っているマイコンならばどれでも対応可能である。
iButton はボタン電池状のステンレス製のパッケージに 1-Wire 部品を詰め込んだものである。ソケットにタッチさせて 1-Wire バスに接続する。接続は一瞬でよく、クレジットカードをリーダーに通すような感覚で使える。より長時間の接続をする場合は、異なる形状のソケットを使う(はめ込む形状)。
JavaOne 1998 では、iButton をリング上にマウントした JavaRing が紹介された…