限られた医療資源を重症化リスクの高い高齢者に回すための苦肉の策だった。
だが、検査の徹底を呼び掛けてきた政府方針とは異なる。しかも、検査しないことで重症化率などのデータを正確な形ではじき出すことは困難になり、濃厚接触者かどうかも分からなくなる。田村憲久前厚生労働相は23日のフジテレビ番組で「若い人も含めて検査をやり続けたほうがいい。検査せずに症状だけで判断できない」と語った。
混乱はこれだけではない。尾身氏が19日に記者団に「人流抑制より人数制限」と発言したのに対し、全国知事会長の平井伸治鳥取県知事は「会食の人数制限さえしっかりすれば出歩いてもいいという趣旨に聞こえる」と述べ、感染対策が緩みかねないと懸念を示した。
結局、専門家の提言には効果的な対策について「人流抑制という方法もあるが、人数制限が適している」と明記する一方、「知事の判断により人流抑制を加味することもあり得る」という文章が加わり、玉虫色の内容となった…