TRIZ(トゥリーズ、トリーズ)は、ソビエト連邦発の問題解決理論・全体最適化理論・システム思考・クリエイティブシンキングである。ロシア語の Teoriya Resheniya Izobretatelskikh Zadatch (Теория решения изобретательских задач) の頭字語である。英語では Theory of solving inventive problems または Theory of inventive problems solving と呼ぶ。
同じく問題解決理論・全体最適化理論・システム思考である 制約条件理論TOCと併用するのが良い。
概要
TRIZ の研究は、クラシカル TRIZ 時代とコンテンポラリー TRIZ の時代に分けられる。
クラシカル TRIZ: 1946 年にロシア人の G.アルトシューラが研究を始め、その第一線を退く 1985 年まで。
コンテンポラリー TRIZ: クラシカル TRIZ 以降、現在に至るまで。1990 年代初頭からの研究は、アメリカを中心とした西側諸国に移る。TOPE(Tech Optimizer, 現Goldfire Innovator)やIWB(Innovation Workbench)などのパソコン用ソフトウェアが開発され、便利になった。それまでは 思考手順ARIZ に沿って、莫大な知識データベースが記された小冊子を参照しつつ問題解決に取り組んでいた。アルトシュラーによる特許分析は約 40 万件であるが、アメリカでは 200 万件の特許分析を行い、TRIZ を進化発展させた。
現在の TRIZ は、理論や発明原理の研究を深めるだけではなく、マネジメント・創造性開発などの能力開発分野、IT 分野、社会分野への拡大・研究が広がっている。
誤解された TRIZ
1997 年 TRIZ は日本で「超発明術」として紹介された。日経 BP 社発行「超発明術 TRIZ シリーズ 1~4」に超発明術と明記されている。超発明術という意味を早合点し、TRIZ を使えば誰でも自動的に発明ができるようになると思いこんだ会社が…