学生の頃は古文より漢文の方がずっと好きだったけれども,それは日本の古典は中国のそれに比べると何とも嫋々として哲学に欠けつまらなく感じたためで,さすがに今はそうは思わないが,この件についてこの前読んだ大谷先生の本でなかなかに会心の箇所があった.
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抑圧と昇華そして床への浸透 (niceratus@pawoo.net)'s status on Monday, 14-Feb-2022 22:17:17 JST 抑圧と昇華そして床への浸透 - 雨宮凪沙/nagiko repeated this.
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抑圧と昇華そして床への浸透 (niceratus@pawoo.net)'s status on Monday, 14-Feb-2022 22:17:17 JST 抑圧と昇華そして床への浸透 『徒然草』の「よろづにいみじくとも,色好まざらん男は,いとさうざうしく,玉の巵の当なき心地ぞすべき」に関して,その注釈書である青木宗胡『鉄槌』に契沖が書き入れた「詩人ハ酒ヲ愛シ,歌人ハ色ヲ愛ス,コレ和漢ノ大体歟」とあるらしい(大谷雅夫『万葉集に出会う』p.89)
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抑圧と昇華そして床への浸透 (niceratus@pawoo.net)'s status on Monday, 14-Feb-2022 22:17:17 JST 抑圧と昇華そして床への浸透 「詩人は,酒をくみかわして男どうしの友情を語ることが多い.たとえば『文選』の詩篇や唐詩には,酒中に友と語らい,友を思う詩がどれほど多いことか.それに対して,歌人は,万葉の人たちをはじめとして,男女の恋ごころをくりかえし詠った.歌と色恋とは切っても切れない関係にあった.つまり,「色好まざらん男は」,恋の歌のひとつも詠まない,無粋な人と言わざるを得ない.おそらく,その書入はそう語るのであろう」(同p.90)
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抑圧と昇華そして床への浸透 (niceratus@pawoo.net)'s status on Monday, 14-Feb-2022 22:17:51 JST 抑圧と昇華そして床への浸透 さらに契沖はそこへ続けて藤原俊成の「こいせずは人は心のなからましもののあはれはこれよりぞしる」をも書き入れているらしい.大谷書に曰く「恋をすればこそ,人は人らしい心をもつことができる.「もののあはれ」は,恋に苦しむことによってはじめて知られるのだから,と言うものである.「色好まざらん男は」,無粋なだけでなく,人の心さえもたないのである」(同p.90)とあり,なるほどと思う反面,あまりにもな言いようとも思える.