抜けたまつ毛が頬についていた。それをふっと指でつまんで眺めてみる。このまつ毛はもう寿命で自分から抜けていったのだろうか。それとも私が目をこすった時にいなくなったのか。本当のことは分からないし、抜け落ちた元・仲間にもう用はない。外だったらフッと息で飛ばすところだけれど、白いティッシュの上で拭った。
まつ毛に沢山のお金と時間をかけてきた。毛は顔のフレームを強化してくれる。まつ毛が綺麗なカーブを描けば、化粧をしていなくても目のフレームがくっきりする。世の中が「目は大きければ大きいほうがいい」としきりに言っていた2000年ごろ、まつ毛パーマをかけていた。ふさふさ、しっとり、長いまつ毛を維持するために美容液で労り、育てていた。
考えたら分かることだけれど、最近ようやく加齢により、毛も衰えるということを知った。まつ毛もだんだん細くなり、間隔も空いていく。以前のようにみっちり、ぎっしり、というわけにはいかず、1本、また1本と抜け落ち、そこにはもう生えなくなっていく。もう美容液なんかでは追いつかない。時間の流れの中では何もできない。今日も抜けたけれど、いいまつ毛が生えますように。そろそろ今年も終わる。
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カンミ (pantabekanmi@mstdn.jp)'s status on Saturday, 12-Nov-2022 16:08:56 JST カンミ