地図も読めず、読む気もないためしょっちゅう迷子になっている。今は地図アプリがとても優秀なのでそんなに困ることはないのだけれど、本当に困った時がある。
今から6年ほど前、残暑の厳しい9月の昼間だった。その時は新居に引っ越しをするときで、久々に訪れる土地で迷子になっていた。
普段なら人に聞こうと思うのだけれど、閑静な住宅街で平日の真昼間。人があまり歩いていない。引っ越し屋のトラックが来る前に家について冷たいお茶でも飲みたいのに、道は遠そうだ。汗だくで疲れた上に回らない頭を抱えてぼーっとしていると、後ろでガチャンという大きな音がした。振り向くと犬がハフハフと見えてるか見えてない目で柵の合間から覗いている。
ミルク色に茶色のシミが入った大きな犬だ。こんな大きな家で飼われているのだから、きっと何かいい種類の犬なんだろう。犬種とか全く分からないんだけれど。と思い眺めていると、家の中からスエット姿の男性が現れた。「触ります?」といい触らせてもくれた。毛の中に指をしずめるとふさふさで気持ちよかった。
いい気分転換もでき、引っ越しもできた。あの犬と同じ街に今も住んでいる。道で会えないけど元気かな。
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カンミ (pantabekanmi@mstdn.jp)'s status on Saturday, 12-Nov-2022 16:09:20 JST カンミ