大学の時、姉と一緒に住んでいた。駅から徒歩15分の2LDK。大家さんと同じ苗字で、その地域はやたらその苗字の人が多かった。「きっと地主とかそういう単純な理由なんだろうけれど、なんか嬉しいよね」と話した。表札に書かれている苗字とアパート名を見て、色んな人が勝手に誤解をし、うちに引っ越しのあいさつの菓子折りを持って来ることもしょっちゅう。そのたび「大家さんちはあそこです」と同じ敷地内にある家を指さして案内した。
よく姉の友達が遊びに来て、みんなで餃子パーティーをした。私も混ぜてもらうこともあった。いっとき「姉の部屋で餃子を包むと急に親密すぎる打ち明け話が始まり、そして泣き出してしまう人」が何人か現れ、姉と「この家の磁場が悪いのではないか」とよく分からない話し合いをした。真相は分からないままだが、単に「餃子を包むという単純作業をしていると、人は何か話題を探し、話していると感情が高ぶる」とかそういうことなんだろうけれど。でも、本当にあの部屋での餃子と打ち明け話の相性はとてもよかった。
少し前にタクシーでアパートの辺りを通って、ぶあっと引き戻された。すぐ通りすぎたので泣かずにすんだ。
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カンミ (pantabekanmi@mstdn.jp)'s status on Thursday, 24-Nov-2022 05:56:31 JST カンミ