ほとほと疲れて帰ってきた時にうどんをよく食べていた。スーパーで買い置きしておいた、冷凍の加ト吉かどこかのうどん。冷凍庫から適当に1つ出して、レンジでチン。その間にお湯を沸かし、ねぎを刻む。チンと鳴ったらどんぶりにうどんを入れ、卵を割り入れ、めんつゆをびしゃっとかけ、お湯を入れて卵を半熟にする。最後にねぎと七味。わかめやとろろ昆布があればなおよし。部屋の座れるところにどかっと座り、膝を片方たてたまま、ずるずると食べる。こういうのは雑に食べるのが美味しいんだよ。げふり、と食べ終わるとシン、とした時間がやってきて、化粧した顔が暗闇に浮かぶ感じがあった。この時のことって、あまり覚えてないけれど、このうどんのことだけはよく覚えてるな。舌に乗った味までしっかり。