杉田俊介『男がつらい!』読了。インセルレフトはいいとして、「人も殺さず自殺もせず、無意味な労働かもしれないけどただそれを生き抜くこと」をそんな称揚されても。それに本人もあとがきで触れてるけど、それってインセルレフトって思想と矛盾するし、そんなのぶっちゃけ資本主義からしたらただの養分、「まあお前らは働いて死んどけ」って要求と完全にマッチしてるんだけど、そのことに対する反省が「レフト」なのに見られない感じがびっくりした。苦しくても耐えるんだ!って、それこそマッチョな発想では......。本を読みながら「まじめか!」って何度つっこんだことか。
男性論の本、正直自分が男性との接点をだいぶ減らしているせいなのかピンとこないし、セルフケアだのホモソーシャルだの。それっぽい用語を並べて何か論じられたような感じにしてその結果「男は男である」というトートロジーが繰り返されるだけって感じがしてきて、どんどん苦手になってきた。
その割に肝心な話、「で、性風俗はオッケーなん?」とかには通常まったく踏み込まれないため、知的刺激にも乏しい。アガンベンだのマーク・フィッシャーだのが大したこと言ってるとも思えないし。
そんなことよりもネイルサロン行きなよ。楽しいよ。