『カルテット』。巻さんの夫には瑕疵がない。作中、若い女の子と仲良くなって一緒に飲みにいく、その子の飼ってる猫が死んじゃって「助けて」とLINEが来た時も「ぼくじゃ助けられません」と返信してる。坂元脚本では小動物の死は2人の恋愛関係への発展を暗示してるので(家森さんはそれで妻と出会って地獄の結婚生活を見た)、不倫できたはずなのにそれすらしてない。ところが、一つだけ作中では突っ込まれてない瑕疵があり、それが「結婚したら巻真紀になっちゃうけどいい?」と真紀さんに女が姓が変わるのが前提の質問をしてしまってる。これを除くと2人のすれ違いの最初は「唐揚げレモン」になり、真紀さんが悪いように見える。だけど、その前に巻さんの夫はこの国では見えないこと、気づかれないことにされてる「唐揚げにレモン」をかけてしまっているのだ。