日本では、さまざまな文字がプリントされたTシャツを、子供も大人もよく着ています。しかし欧米の階級社会では、文字入りの洋服を好んで着るのは階層の低い人たち、という共通認識があります。
確かに、当時出会った友人たちは、キャラクターはおろか、文字がプリントされたスウェットやTシャツを手に取ることはありませんでした。幼い頃から「装い」は、嗜好のみならず、教養、学歴、経済力など、その人の背景にあるものを示すという事実を教えられてきた彼女たちは、自分たちのセンスから父母のソーシャルランクまでもが推察されることを知っていたからです。
だからこそ、単に値段や好みで判断するのではなく、素材、色、クオリティ、用途などを総合的に考え、慎重に吟味していたのだと思います。たとえ子供であっても「何を着るか」に対して緊張感や責任感を持ち、自分の見せ方に十分に注意を払わなければならないのは、階級社会特有の事情ともいえるでしょう。