SIerがエクスキューズ駆動開発になりがちな理由は、一括請負という伝統的手法が顧客とベンダ間の「立場の違い」を強化するから、と解釈している。
これが何故是正されなかったかと言うと、コミュニケーションコストは「人月」というわかりやすい概念に比べて、自信の説明容易性が低いから。
言い換えれば、顧客から見えない領域で「売上げを膨らませやすい」。
これはかなり邪悪な発想なので、全てのベンダが意識的にやっている訳ではない。しかし、ビジネススキームがそうなっている以上、「結果的に」それをやったベンダが生き残りやすい傾向は出てきてしまう。意味不明なSIerの風土の起源は大体ここから、という認識。
SIer内で技術投資が効かなかったりするのも同じ理由。工数が減れば売上げが落ちるので、よい技術は自然淘汰される。