その人は高校時代、天文部に所属していた。ある日、天体観測で遅くまで学校に残っていたらしい。夜の学校とくれば怪談、ということで、教室内に集まっていた部員たちが怖い話を始めた。しばらくすると、夏なのに空気が冷たく感じる。ふと窓の方に目をやると、さっきまで見えていたはずの夜景が見えない。ん?と思って目を凝らすと、おびただしい数の青白い顔が窓にびっしりと張り付いている。大量の霊が集まってきたせいで夜景が見えなくなっていたのだ。その人は皆に怪談をやめさせた。しばらくしてから窓に目をやると、いつもの夜景に戻っていた。怖い話をすると霊が寄ってくる、というのは本当らしい。高校の同級生の話。