毎月1日・11日・21日は「ステキなぼっちの日」。ぼっちの可能性を探るために、Pouch編集部員が体を張っていろんな場所に出かけています。
……さて、本日11月11日は1が4つも並んだ究極のぼっちの日でございます。なんと中国では「独身の日」と言われてるそうじゃないですか。
私も気づけば独身のまま35歳。路上の占い師には婚期を過ぎてると宣告され「このままウェディングドレスを着ることなく一生を終えるのは寂しいな」と思っていたら「あ、今度のぼっち企画、ソロウェディングいいんじゃないですか?」という声が……。
独身でソロウェディング、究極のぼっち感ある……! というわけでチャレンジしてきたわけなのですが……ひかえめに言っても最高でした。
【2万円以下でウェディングドレスを着て撮影できるですと…】
ソロウェディングとは、その名のとおり、ひとりぼっちの結婚式。来賓を招き、神父の前で誓いを立てる本格的なものもあれば、ドレスや着物を着て写真を撮るだけのものもあります。私が挑戦したのは、写真だけのソロウェディング。
今回申し込んだのは、表参道にある写真スタジオ「aim」が提供する1万9800円のプランです。
子供の頃の夢はお姫様。当時放送されていたアニメ『レディ・リン』や『小公女セーラ』の影響で、嫌なことがあると「私は本当はお姫様だからこんな辛い目に遭うんだ……」と信じて疑いませんでした。
ぶっちゃけ結婚できなくてもいい。でも、幼い頃に憧れたお姫様のように、とにかくドレスだけは着てみたい。そう思っていたので、2万円以下でウェディングドレスを着て撮影できるなんて! とワクワク。
【いい感じにラフな接客に気持ちがほぐれる】
とはいえ当日は「こんな疲れ切った独女が行って、スタッフにイタイ奴来たとか思われたらどうしよう」と不安だったのですが、お店に着くと美しい女性スタッフが気さくに出迎えてくれました。緊張もほぐれます。
「ソロウェディングプラン」は、カウンセリング、ドレス選び、試着、ヘアメイク、撮影をあわせて約3時間ほどというスピーディーさ。
最初に当日の流れを説明されたあと、カウンセリングシートを記入。続いて衣装選びに。白いウェディングドレス、カラードレスから好きなものを選べます。並んだドレスのかわいさにうっとり……。
ちなみに、ハイグレードのドレスを選ぶと料金が上がるとのこと。
【ドレスを試着、意外と露出が多くてビビる】
しかしドレスなんか着たことないから、何を選べばいいやらわかりません。スタッフの方と相談し、3着試着することに。
ただのフォトプランでも、ちゃんと試着できるのは嬉しい!
実際試着すると、ドレスによって、似合う似合わないがはっきりします。それにしてもウェディングドレスって、露出が多いんだな。たとえば、シンプルなエンパイア型のドレスは、私の凶悪な二の腕が強調されることに……。
「エステとか行った方が良かったですかね……」とつぶやいたところ、スタッフの方が「いや、エステ行くくらいなら、写真の修正にお金かけたほうがいいです」ときっぱり言ってたのが印象的でした。なるほど……盲点でしたが、説得力ありすぎのひとことです。
【背景のかわいさにロマンチック浮かれモード】
ドレスが決まったところで、カタログを見ながらヘアセットと背景セットを選ぶのですが、この背景の種類がものすごい。
ただ壁紙を変えるだけかと思いきや、セットを動かして、小道具などを置いて作りこむとのこと。まるで秘密の花園のようなセットの数々に、ドレス選び以上にテンション爆アゲ。年甲斐もないとかそんなことは考えずに、思い切りかわいいやつにしました。
【美のプロによって、疲れた35歳が花嫁に変わる…】
そしてヘアメイクスタート。仕事後の疲れ切った35歳の顔がどうなるのか不安だったのですが……。
美のプロふたりの手によって、鏡の中の自分が生まれかわっていくではないですか。コンシーラーでくまもニキビも消え去り、ツヤ肌になり、髪もフワッフワに巻かれてキュートな花を散らして……。花嫁というより、むしろ姫気分。
なにこれ、最高のコスプレやん……? 35の独女がこんなに人から丁寧に扱われることってある?
【いよいよ撮影、恥は捨てろ!】
ヘアメイクを終えて、スタジオに足を踏み入れると、猫脚のベッドに花が敷き詰められたセットが組まれてるではありませんか。ガガガガガ、ガーリーーーーー!!!! いや、自分で選んだんだけど!
なんていうか、ラヴィアンローズ(バラ色の人生)ってこんな感じなのかな……。
そしていよいよ撮影スタート。こんな私のために、ヘアもメイクも、撮影セットも、こんだけ可愛くしてもらったんだから、照れは捨てて、幸福な花嫁になりきろう……! という妙な使命感が湧き上がります。
ちなみに、ポージングや表情については、カメラマンの方が細かく指示してくれるので心配無用。
「振り返るようにして、自分の左肩を見てください!」「首を右にかしげて、自分の手先を見ながら微笑んで」「はい、笑いましょ〜!」
しかも、撮影の合間合間にスタッフの方々から「かわいい〜」の声があがります。これが、お世辞でも死ぬほどうれしい!
もうこの歳になると、普段の生活でかわいいとか言われないですからね……。撮影が進むにつれ、ノリノリになっていきます。ああ、この夢のような時間が永遠に続けばいいのに……と思うも、30分ほどで撮影終了。
【姫気分から一転、現実に引き戻される】
ドレスを脱ぎ、ヘアセットをほどいたら、魔法がとけたようで少しさみしい気持ちに。そして、もとの服に着替えて、写真選びのために受付の方にもどると……一気に現実に引き戻される出来事が。
でっかいPCモニターにさっきスタジオで写したカットがスライドショー形式で表示されているのです……!!
そこに写っているのは、思い切りキメ顔で微笑む自分の姿。
最高に可愛くしてもらったとはいえ、これは辛い。スタッフいわく「みなさんこれが恥ずかしいっていいます」とのこと。
キメ顔の中からさらにベストショットを選ぶ……というこっ恥ずかしさを乗り越えて、写真を5枚セレクトし、データを焼いてもらって終了。
【結論:女子はみんなマジで撮ったほうがいい】
最後のキメ顔スライドショーは死ぬかと思ったけど、ソロウェディング、マジで撮ってもらってよかった……。パートナーの好みや親の意見などを考慮しなくていいから、100%自分の好きなように写真が撮れますし。
実際の結婚式だとこうはいかないと思うんですよね。ていうかむしろ「ウェディングドレス姿、もっと若いときに撮りたかったな」と思ったくらいです。
そしてドレス姿を写真におさめたことで、「ウェディングドレス、もう着たし」という謎の余裕も心に生まれました。
というわけで、結婚したい女子も、ウェディングドレスが着たいだけの女子も、思い切りちやほやされたい女子にも、ソロウェディングは全力でオススメです!
ちなみに、フォトウェディングの申込みは月に10件ほどあり、さほど珍しくないとのこと。独身女性はもちろん、ウェディング姿を撮り直す既婚女性も多いそう。というわけで、みなさまも恥ずかしがらずに行ってみてくださいませ。
姫度★★★★★★★★★★★★★
ぼっち度★★★★★
オススメ度★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
取材協力=aim表参道店
撮影・執筆=御花畑マリコ (c)Pouch