鮮やかな青い光が飛んでいくのを見た。
それは夜には不似合いな眩さで、昼にはない煌きを内包し、朝にはない妖艶さを放っていた。
「なんだろう、あれ。綺麗だね」
隣で笑うのは、同級生の幼馴染だ。制服を揺らし、精一杯に背伸びして、小さな体いっぱいで、謎の光を指さす。
「ああ、不思議だな」
流れ星の類だろうか。ニュースでは流星群の観測情報など流れていなかった気がしたが、星に詳しい訳でも無いし、そんなこともあるだろう、と、見られた偶然に感謝した。
「ほら、帰るぞ」
夕刻の息が白く色づくようになったこの季節。少し寒そうにしている薄着の幼馴染に、自分の巻いていたマフラーを巻いてやる。あったかい、と笑う幼馴染に、明日からはもっと寒いから厚着をして来いと釘を刺す。どうせ、衣替えが面倒だからとしていないだけなのだ。
「ねえ、今日の晩御飯何にするの?」
「冷蔵庫見てから決める」
もう十何年も繰り返してきた他愛のないやり取り。背の低い幼馴染に合わせた、少し狭い歩幅。
きっと今日も俺たちは二人で夕飯を食べ、明日は一緒に通学するのだと、俺は信じて疑っていなかった。
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依頼募集中 (yaneurake@gamelinks007.net)'s status on Wednesday, 29-Nov-2017 17:11:20 JST 依頼募集中 - S.H. repeated this.