こちら著者の杉田俊介氏からTwitter上で私に引用RTがありました。杉田氏の表現が非常にマッチョだと思ったこと、これなら岡田斗司夫のほうがおもしろいとTwitterで書いたのですが、それだけで「(森の)ナチュラルなマウンティング」「ハラスメント気質」と言われました。最初「拙著のお買い上げありがとうございます!」のミスタイプかと思い、1分くらい静止しましたが、どうやら間違いではないようです。
自分は評論家、批評家として多数の作品を取り上げ、またその中で作品に対して肯定的でない評価も下してきたとは思うのですが、自分の著作に対し、個人が否定的な感想を述べただけで、その相手を「ハラスメント気質」と人格攻撃をする「批評家」。これが日本の現在のレベルなのか、杉田が本書で述べているような、自身の間違いや欠点を認められない男性性の高いプライドのせいなのかわかりませんが、非常に問題だと私は思いました。
また、マウンティングやハラスメントといった言葉を安易に拡張して使用するのもいかがなものでしょうか。現実に私が出版社に勤めていて仕事の依頼を決めているとか、同じ批評家で先輩風を杉田に対して常日頃から吹かしているとかなら話は別ですが、ただの一読者が著者の気に入らない一言をツイートしただけで「マウンティング」「ハラスメント」と言う。
たとえば「カムアウト」という言葉が本来の意味から拡張され、ちょっとした秘密を明らかにする程度のことを指す言葉として使われることで、本来の自身のセクシャリティの開示という意味を奪い去られていってしまう。そうした構造と類似の問題がここには見てとれます。批評家なら、またリベラルな見地から、男性性に対して批判的に思考し、そのテーマで著書を3冊も書かれている批評家なら、そうした言葉の問題に対しても最低限の理解や問題意識を持っておいていただきたいと思ってしまうのは、私の贅沢な要求でしょうか。
私に杉田氏の著書を紹介してくださった方も含め、私の知り合いの全員が杉田氏のこの応答に言葉を失っていたことも付け加えさせていただきます。
というわけで、杉田氏の著作についてはこれ以前も、そして今後も、皆様、SNS上で肯定的な評価以外をすることは、杉田氏からマウンティング、ハラスメントと人格攻撃を受けることになりますので、感想を述べる際にはくれぐれもお気をつけください。