私が自由意志を否定するきっかけとなった思考実験があって、「もし別の人と意識を完全に交換した場合に何がおこるのか」という問題を考えたのが大きかった。
交換するものは、「私」という感覚のみでそれぞれの記憶や考え方は一切交換しないとする。その場合に外顕的な行動に変化が生じるかどうかを検討した。その結果、私は記憶や考え方が一切交換されずに「私」という感覚のみが交換されたのであればそれによって何も行動は変化しないだろうと考えた。
それが意味することは「私」という感覚そのものには行動を制御する機能はないという結論でありこれによって自由意志に対する信念が消え去っていった。