Timeline for it list by senooken, page 104

行動(一般に言われる「反射」のような明らかに自発的に見えない行動を除くとする。さらに体罰の使用のような分かりやすい関係で支配を受けて行動しているように見える場合も除くとする)の原因が意志にあるとするかどうかの見解については次の三段階の考えがあると思う。

* 全ての行動の原因は意志にある* 行動の原因が意志にある場合もあれば、そうでない場合もある* 全ての行動について意志が原因とはいえない

完全に私の肌感覚なんだけど、「全ての行動の原因は意志にある」の立場は6割くらいいる気がする。「行動の原因が意志にある場合もあれば、そうでない場合もある」は3.9割くらいで、「全ての行動について意志が原因とはいえない」とする人は 0.1 割くらいじゃないかと思う。

依存に関する行動の問題を、「依存症である」と思える時点でその人は既に大衆から外れているように見える。

同感、目に見えない疾患は意思の問題と見做されやすいように見える。心の問題にされて治療を受ける機会を得られない人は大勢いると思う。

「依存症」という言葉の意味を分かっている時点で、概ね意志の問題ではないという風に認識しているわけだ。そもそも「依存症」という言葉の意味が分かっている人がどれほどいるかという話になってくるように見える。

病名が付くことを知るまでは意志の問題とし、病名が付くことを知った後は意志の問題と見做さないというスタイルの人は結構いそう。

病名がついているかどうかによって意志の問題かどうかを切り分けている可能性はあるかもしれない。

依存症は一見意志の問題と見做されなくなってるようにはみえるんだけど、この認識が広まっているとは正直思えない。いまだに依存症を個人の意志の問題だと感じる人の方が多いのではないかと肌感覚としては感じるんだけどどうなんだろう……。そもそも何に対しても意志の問題に帰属することがなくなっているために、大衆の認識上の意志の問題かどうかの境界が見えなくなっている。

おそらく、ある程度までは意志の問題ではなく、どこからかは意志の問題であるという曖昧な線引きがあるのだと思う。それがどこらへんに引かれているのかが気になっている。

行動分析学では意志が介在するかどうかというところに境界を引かない。意志を前提とすると行動の制御なんて夢物語みたいな話になるし立場的に当然ではある。行動の問題と見做されるかどうかで介入すべきかどうかが変わってくるというだけ。

依存症と依存症でない行動の間に意志の問題かどうかの境界を引くかどうかが人によって異なってくるというのはありそう。

ちょっと素人を買い被りすぎな気がする……。

ぐんま天文台の天文学のやつ新作きたか。3時間はなかなかやばいな。https://www.youtube.com/watch?v=ta6noxxzIJc

今は行動の原因を脳に帰属させるブームがきてると思うんだけど、いくら脳について調べたって「じゃあ、なんで脳はそういう状態になったの？」を説明するためには結局そうなるための環境を見る必要がでてくるわけで、環境と行動の相互作用を分析する行動分析学の方が行動の制御には手っ取り早い。

行動の原因を脳に帰属させるの、マジで行動の制御に関しては機能的じゃないと思うんだよな。

薬物投与による行動変容の効果の説明には確かに有用だとは思うんだけど、結局のところそれって説明のために機能しているわけであってそれ自体が制御に寄与している感じはあまりしないし……。脳科学の発展が行動制御に関わる薬の開発に機能的であろうということにはついては否定しないけど、薬以外の行動制御にも目を向けることも有益なのも確かなことだと思うんだよな。

結局、酒にしてもタバコにしても依存に陥いる原因は一つではないんだ。個別に分析しないと解決不能である。故に行動分析学は専門家まで知っていたら済む程度の知識ではないように思える。

専門家が知っているだけだと、制御すべき対象が多すぎて現実的でない。多くの人が行動分析学について学んでいる状態にならないとあんま役に立てない。行動分析学の利用には時間的かつ人的コストがかかる。

もしも、喫煙所でしか有益な情報を得られないような環境に置かれていた場合、タバコではなくて喫煙所で得られる有益な情報によって行動が制御されてしまう。

この問題の解決としては、「タバコを吸わないようにする」ではなくて、喫煙所以外の場所で同等なコミュニケーションを可能にするという措置が必要となるわけだ。

「依存症は脳の問題」としてみてたらこういう視点を持てない。脳科学は行動の制御に関してまだまだ弱い。

酒やタバコの行動の問題を、「コミュニケーション」の問題とまで見るのは行動分析学の知見を持ってないと分析できないと思う。

依存症を脳の問題として見るとそこまで視野を広げられないと思う。

依存症までなら、人々は意志の問題ではないのだと知らされつつある。なので、この範囲までなら行動分析学は余裕で入りこめそうな雰囲気があるが、意志派閥もまだまだ少ないといえる状況にないようにみえ難しい印象だ。

実際、病院に運ばれた(なお経緯は記憶にない)ときも飲み会であり、一人で酒を飲んでいるときとは別の強化随伴性があったと推察される。

そもそも酒を飲む行動は酒のみによって強化されるものでもないということに注意する必要がある。

飲み会とかでは酒を飲んだ人に対して好意的に接触するような事象が散見され、そういった環境もまた飲酒行動を強化している。

私は喫煙所に入ったことないんで知らないんだけど、喫煙所でも似たようなことが起きていると聞いてる。

睡眠薬が処方されるようになる前の一年程度の飲酒頻度はごく僅かであったはずなので、睡眠薬の影響なくほぼ禁酒に成功していたといって良いと思う。